先週、ある勉強会で経営者のお話を聞いて私自身反省したことがある。最近、私はなにかとても焦っていたのかもしれない。たった14年ぐらいの経営経験でなにが判るというのだろう。ちょっと経営を学んだからと言ってどんな答えが見えるというのだろう。
我々の会社は、若い社員がとても多い67%の社員は20代である。それなのに平均年収は店頭企業の同種平均と同等・・・これはなにを意味しているのか。給料や福利厚生が充実していることもあるが、残業の多いということも正直ある。どうして、残業が多いのかといえば・・・結論として若い社員が多いからということになる。経験不足を時間で補うような職種は、ITばかりではないかもしれない。ITであっても、あまり新しい技術に対応していかなければある程度の時間を消費することに歯止めが利くのだろうか・・・とも思う。
しかし、やりたい仕事ができる会社が社員の幸せと考えている弊社の社員は、なかなかそういう仕事をしたがる人が少ない。新しいことに取り組めば、あたり前のことだが苦労も多くなる。当然お客様へのサービスレベルは下げられないから、そこに無理が生じるのだと感じることも多かった。未来を予測することの難しさになんども泣きたくなった。もしも代われるものならば・・・と思うことも多かった。しかし、本当にそれだけなのだろうか・・・。そういう技術的なことがこの閉塞感の現状の課題のすべてだったのだろうか。
以前に比べて、最近私は笑わなくなったと思う。多分、それも大きいに違いない。
私は、本当にうちの社員を自慢に思っている。でも、きっとそんな思いは彼らには伝わらないのかもしれない。最近のイライラした感じではねぇ・・・。叱るにもセンスっていうものがあるはずなのだ。それ以上に要求レベルを下げるのではなく、ひとりひとりの力量を見極めてそれぞれの問題に正面から取り組んでアドバイスしなければ何も進化なんかしないだろう。相談に来ないで間違えると言っては不機嫌になり、不機嫌だから相談しにくくなる・・・そんな悪循環に陥っていたような気がする。何たる失敗!・・・それだけではない。なにより、私は彼らよりも先に答えを見出すことに喜びを感じる子供っぽいところがまだまだある。
自分の子供なら、どんなにわからなくても要求し続けるということをその経営者の方は仰っていた。それが母親の愛情。経営者としての責任を果たすこと。私は、子供のように思う彼らに甘えていたのに違いない。一生懸命に私の要求に答えようとしている彼らにもっと楽にやってほしい。もっと下の人間に優しくしてほしい。無駄に動かないでほしい。と彼らの幸せを願う余りに彼ら自身がどんなに若いか、そして自分で考えてみたいと思っているかをちっとも理解してはいなかったように思った。
自分のその頃に比べたらものすごく上出来だということをちっとも伝えてはいなかったような気がする。弊社の平均年齢は29歳、来年はなんと31歳に跳ね上がってしまう。そんな焦りが、実際にはとてもハイレベルな要求になっていたのかもしれない。平均年齢だけで考えたなら、確かにもう若い会社ではなくなるどうやってサービスレベルを上げたら良いのだろう・・・ここ数年の私の焦りの根本はこんなところにあったのだ。
深呼吸して、肩の力を抜いたならもう少し楽に片付くこともあったかもしれない。平均年齢でなく実態を見てみると26歳をベースとした放物線はほとんどその前後6歳に人員が集中している。そこに平均年齢だけでは図れないいろいろな物語が、課題が詰まっているような気がした。去年は、このグラフがもう1歳左だった訳だから、今までが上出来すぎたのだとつくづく思った。そうして、絶対に今からも要求はしつづけるとは思うけれども、もう少し優しくもう少し身近に教えることが必要だと心から反省した。
昔、前の会社で私が主任に尋ねたことがあった。一つ先輩の仕様書を2年目で書くように言われた時のことだった。「私が、ちゃんと要求レベルに応えられなかったらどんなことになるのでしょうか。」少し考えて主任が答えた「・・・多分、またしばらくして同じような課題を与える。それでできなくても・・・多分またチャンスを与え続ける」・・・今どきの若者は違うと思っていたのだけれども、当時の自分の不安な気持ちは形を変えてみんなにもあるのだと思う。その緊張感をなくして欲しいのではなく、それ以上にまた、次のチャンスに備えることや納期と目的の為に課題を提示し、教えを請うことをその勇気こそが必要だということを伝えたいと思う。それがプロというものだから。
あなたは、一人で悩まなくてもいいということを。問題はみんなで解決していくものだということを・・・早ければ早いほど問題は解決が容易なのだから。納期を負うものの定めとして、責任を感じてくれるなら・・・きっとそれがヒューマンシステムの掟だったはず。
そして私は、今日から微笑み魔術師になろうと思う。コミュニケーションの基本は信頼関係、その為にはなんにも難しい顔をする必要はないのだ。「おはよう」と「ありがとう」とに+αの魔法をかけたい。しつけが出来ていなかったのは実は私のほうだったのだ。
そんなこんなで・・・今週もよろしくおねがいいたします。