2007年 新年のごあいさつ

あけましておめでとうございます。

年があけると、いつも気持が引き締まる思いがします。昨年のお正月は、本当に生きた心地もしなかった。それに比べると今年のお正月は随分とゆっくりした印象です。しかし、やっぱり大晦日も、お正月もパソコンに向かわないことは無いし、結局は会社に足を運ぶことになっています。毎年、2日には会社の鍵を開けて年賀状をポストから受け取り、なんとなく仕事を始めることも恒例化してしまった気がします。そうして、初詣は社員と一緒に4日に行くのが決まりごとです。

WEB2.0が昨年は我々のITサービス業界に旋風を巻き起こしましたが、実際に目の前にある開発案件にはそれほど多くの影響は与えるには至っていません。プロードバンドが一般化して、世界屈指のネット大国になったこの国で、WEBに関わる開発を生業としている我々ヒューマンシステムは、なにを提供して行けるのか。技術を提供していくという意識だけでは、これからの日本で生き抜いて行くことは難しくなってしまうのではないか。常に、お客様にどのような成果を提供できるのか、そういう高い視点とプロ意識が益々必要になって来ているのではないかそんな思いがいたします。

ここ数年、簡単なボリュームのあるところは、オフショア開発にまわされてしまうというのが常識化してしまっています。それに伴い、国内の開発については、ますます複雑化しスケジュールが厳しい仕事が増えているように感じます。我々は、フレームワークを3年前に開発しました。おそらく7割~8割の開発はそのフレームワークに従って開発して生産性を上げることができていると思います。しかし、そろそろこのフレームワーク自体も大きなバージョンアップが必要になってきています。なにより、フレームワークを使ってシステムを開発するということ以上に次のバージョンでは、ソフトウェアメトリクスを意識したものにして行きたいと考えています。ソフトウェアを数値化する・・・もともと、SSFというツールは設計部分を持つツールですので設計部分からの「見える化」が我々のプロジェクトマネージメントとあわせて強力な私達の助けになると考えているからです。

先日、印刷関係のお客様にご挨拶に伺った際に「製版工程は2日、うちはデジタル製版で1日に短縮して社員が楽になるかと思ったのに・・・今では、半日の競争になってきている。」という身につまされるお話を伺いました。私たち以上にお客様もスケジュールと戦っているのだと製版という特別なスキルと機材と技術と経験を問われる仕事であっても、そんなに厳しいスケジュールとの戦いがあることに感動いたしました。そして、同時に我々が安定したシステムをお納めすることの責任を強く感じました。不確実性の高いシステム開発では、技術とお客様のビジネスに対しての深い思い入れが必要だと感じています。お客様のビジネスをどのように意識するか、そういうイメージ力もこれからのエンジニアには必要になることだと思います。

私たちヒューマンシステムは、まだまだ未熟なことばかりですが、常にコストより品質を社内よりお客様を重視するように社員を教育してまいりました。そして、それを補完する為には高い技術力と現状を把握して必要な情報を伝え合うコミュニケーション力が必要である・・・そう思います。昨年までのいろいろなトラブルの発端は、常にこの後者の不足によるものでした。お客様の望む、安定したシステムを提供していく為には、愚直で誠実で技術が好きなだけではなかなか難しくなっています。きちんと計画を立て、お客様に説明し、お客様のリスクを管理することまでも、我々側の仕事であるとそういう全体感のある仕事への取り組み方が必要だと痛感いたします。その為には創業時より培ってきた「技術、おもいやり、豊な人間性」の企業理念に基づき豊な人間性あふれる「人」を育てること。そうすることで同じ価値観をもった人が育ってこそ、より良いサービスを提供して行けるのだと考えます。コミュニケーション力をつけるということは、そういうベースとなる「会社の躾=ルール」が無ければ、なかなか成り立たないものだと思います。

昨年から、国際プロジェクトマネージメント学会に入りP2Mというプロジェクト体系を学ぶ機会を得ました。プロジェクトというものがいかに広範囲で深くいろいろな要素を含んでいるものなのか、いろいろな知識を体系立てて学ぶことで今までのいろいろな問題を明らかにし、学習する手がかりを得たような気がします。経験だけでは、なかなか教えることが出来ないプロジェクトマネージメントという分野の仕事をもういちど整理して、仕組み化してそういう基本的な考え方を社員に伝えて行くことが今年の私の仕事だと思います。お客様に安心して頂けるサービスを提供すること。今年も、ヒューマンシステムは進化します。私にはなにか、そういった予兆、胎動のようなものを感じることができます。

2007年も、皆様にとって良い年でありますよう。そして、本年もご指導ご鞭撻賜れますよう宜しくお願いいたします。