2008年 新年のごあいさつ

2008年は、いきなり7日から会社が始まり、1日でお正月が終わってしまうという慌ただしさですが、みなさま、お正月は如何お過ごしでしたでしょうか。

今年最初の日経新聞の朝刊トップは「沈む国と通貨の物語」というタイトルで、円安と経済規模の縮小についての記事でした。そしてその隣の記事が、昨年の出成率が戦後2番目の低さであることを伝えていました。経済規模が縮小し人口も減少しているこの日本は、少なくとも私たちが子供の頃の活気に満ちた消費力も、仕事を覚え始めた頃に言われていた「Japan as NO.1」の経済力も影を潜めているように思います。

昨日の日経新聞の社説では、ガラパゴス諸島のように世界から孤立した産業となっている我が国のIT業界について世界に通用する商品を開発する時であると結んでいました。IT業界の技術自体がコモディティ化しているということ、そしてグローバルスタンダードと呼ばれるような日本発の技術開発が近年無かったことなど、ここ数年感じてきたことがそのまま書かれているような印象です。この春、「NGN」(次世代ネットワーク)が、世界に先駆けてスタートし、そして、今年はWeb3.0(セマンティクWEB)の波がやってくるともいわれています。組み込み型のシステム開発を除き、日本のソフトウェアの開発技術は既に世界では通用しない。そんなことがまことさやかにささやかれています。

そんなグローバルな競争とは全く別の次元で我々が成長を続ける為に昨年選択した決断は、北京の関連子会社の閉鎖でした。北京での沢山の思い出と関わってきた中国人社員のことを思うととても言葉にはできない、いろいろな思いが錯綜しました。しかし、日本人とは違う中国の社員達の大らかさとバイタリティ、前向きな姿勢には感心しました。この4年間にいろいろなことが、そして、沢山のことを学びました。資本主義の国に生まれた私が想像する以上に個人が自分の為に競争する世界を身近に感じ取ることができたのは、この北京に創った会社のおかげだったと思っています。

ヒューマンシステムの今期の経営目標は「ITからICTへ。技術をサービスに変えて」というものです。私達は、お客様のビジネスを支えるシステムを創ることを仕事としています。私たちの社是である「技術 おもいやり 豊かな人間性」で提唱する「技術」とは、
常にお客様に価値を創造する技術で、お客様のビジネスと一つになり成果を上げていくしくみをつくることが我々の目指すところです。もしも、この目指すところが実現できるのであれば、きっとグローバルな競争から、我々の会社は抜け出すことが出来る。

その為にさらにひとりひとりが個々の技術を磨くこと、そして、そういう一人一人が十二分に力を発揮できるチームワークを可能とする組織を創ることが私の今年の目標です。

我々のヒューマンシステムがより開発の上流から質の良いシステムを開発すること、お客様に品質の高いサービスを提供することを目指すことで、我々が他のソフト会社と一線を画して戦うことが出来るそう私は信じています。混沌とした現代だからこそ我々の未来を予測する最良の方法は、我々が自分達の手でそれを創り上げていくことに他なりません。

2008年は、品質とサービスについては妥協しない。ひとつひとつの工程や仕事の意味をもう一度、きちんと考えてみたいと思っています。お客様の満足と社員の幸せを両立するヒューマンシステムの使命を果たす為には、まず、みなさんから「ムリ・ムダ・ムラ」をなくすこと。そして、良い仕事ができる技術を磨いていくことが重要だと思っています。

ヒューマンシステムはさらに進化します。
2008年が、きっとみなさまにとっても良い年になりますように。