現代企業におけるコアリーダーの育成

街はすっかりクリスマスの装いですね。
あっという間に今年も12月になってしまいました。・・・本当に年齢は加速するみたいですね。

現代企業の成長環境とコアリーダーの不足に対応する為に今企業が考えるべきこと

少し前には、ベンチャー企業から名前の知れた中堅企業に発展するのには30年かかると言われていた。その発展のプロセスには内容の異なる「危機」と「改革」が繰り返されるサイクルを見つけることができる。常に「危機」を乗り越える「改革」を起こすのはマネージャではなくリーダーである。こうした改革を起こすことが出来るリーダー=コアリーダーと定義される。
現代は、さらに発展までの時間が短縮され15年で中堅企業に発展するといわれている。さらにそのスピードの速さだけでなく、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)や韓国と言った海外の競争者が台頭し力をつけて来た。過去の経験からは計れない「危機」的な問題に直面することも多く過去の経験は通用しない。現状を打破できるリーダーは今のところ少ない。しかも、多くの経営者は、リーダーは現場で育つと考えておりその支援も育成も十分ではない。
収益性と成長性が最も高いのは10年未満の企業であり、20年~30年未満の会社が最も安全性が高いという調査結果もある。ある程度の規模の会社が中堅企業に成長する為には、このコアリーダーをどのようにして早く育てることができるかが重要なポイントである。

リーダーの取る行動をリーダーシップスタイルと言い狭義のマネジメントは定常組織の計画目標を達成するスキルの一つに過ぎない。
リーダーシップは、現状を打破する改革であり、スタイルを重要視する。マニュアルには無いことを推進していくことができる。狭義のマネージメントは、現状を維持する活動であり、スキルを要する。形式化が進んでいるのでマニュアル化することができる。
創業企業は、このリーダーシップとベンチャースピリットに長けたトップが企業を繁栄させて来たケースが多い。但し、100名以上の組織はスパンオブコントロールの問題から、失敗リスクが潜在化して内部崩壊しやすい。
小原先生は、ある住宅産業の会社(最盛期:売上1500億円、従業員6000人、子会社19社/海外6社)が倒産に至った事例を元に経済性中心の経営の問題と体系的な知識を学習することの重要性を説かれた。企業は、危機の連続の中で成長する。その危機を乗り越えていくことができる「なにか」を見つけなければ滅び去る恐竜になってしまうのだ・・・この企業進化モデルについての考察が1章のテーマだと私は感じた。
そしてその「なにか」は日本版プロジェクトマネージメントであることが明らかになるのが2章です。P2Mの全体最適のものの見かたやプロジェクトの概念に加えて、今回のお話では「システム工学を学習する」「チームワークマネージメントを学習する」「現場のブレークスルーを実感する」というステップがあることを知った。プロジェクトは限定された期間とゴールがあるから、コアリーダーの育成のステップにはとても有効だということも理解できる。
持続的改革プロジェクト=コアリーダーの育成につながるものとしてそういった育成を行うことがポイント。そういった事業主の視点もいれて体系化されているP2Mを学ぶことは、コアリーダー、次期幹部への確実なステップアップになると感じた。弊社も①行き詰まりと②腰砕けの現象がそろそろ増えてきている・・・と感じたりしている。そんな時、企業経営者はきっとこういった体系づけた理論を学ぶべきなのだと思う。

コアリーダーとは、会社の危機を改革によって切り抜け、さらに企業を盛上げることのできる人。企業価値を高める多目標のバランスを取るのが経営者の常識となっている昨今、大きな環境変化を予測し、財務体質、技術開発、人材育成を行うこと・・・それが、大きな環境変化に対応する為に必要な対策でもあるのだ。環境の変化を予測して、体系的知識を学習すること、これが様々な企業の制約に対して有効な手段である。予測不能なことに対応できるのは人間=ブレイクスルーする人だけなのだから。

コアリーダーの育成の事例のなかで、医療マスクメーカーが不織布を使ったマスクを開発し世界一のマスクメーカーになるというお話があった。その開発以前に縫い針(ミシン針)の混入を全世界に向けて発表し、10億枚以上売れている製品を回収しその針のカケラを見つけ出したというところがなにかとても心に残っている。(たしかW社でもこういう話は聞いたことがある)そういった本質的なスタンスが全社にきちんと伝わっているからこそ、真剣にその問題に取り組んで、だからこそブレイクスルーできたのではないか。そんな思いを抱いた。

現代社会は、コアリーダーを求めているということ。小原教授のとても素晴らしい講義で、参加者全員が納得し共感を持つことが出来た。コアリーダーは文武両道に優れていなければならず、その為にはプロジェクトマネージメントの経験を数多く積むことが必要であることを痛感した。自分はどうだろうか・・・。

プロジェクトマネージャの経験を深く深めることは、いろいろな自分の幅を広げることにもなると思う。
そして、自分達の製品に対してなにごとも真摯に受け止め取り組んで行きたいと思う。
あなたにとっての「ミシン針」は、どんな問題でしょうか。その問題について真剣に考えていますか?
※今週はエクスペリエンスクラブの公演内容からまとめました。