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中閑村の白と青のクリスマスツリー

北京での採用は丁度これで3年目になる。採用とトラブル以外で北京に飛ぶことはなくなってしまった私にとってJALのいつも同じサービスはなによりといった感じ・・・。成田では、新しいターミナルビルにも驚いたけれども自分の知らないところでこうして世の中は変わっているのだと思う。案の定、北京はまたまた街の様子を変えている。ほんの2か月前に来たときには、あんなテレビ塔には気がつかなかった。世界でも一番だと思われる道幅の天安門大通りに立ち並ぶ高層ビルは、どこか別の国に来たかのような印象を与える。そういえば、成田の様子は北京空港の国際線の様子にとても似ていたし、銀座通りを飾っていた青と白の電飾は、中閑村の大通りのクリスマスツリーも同じように、いやもっともっとゴージャスにその煌めく光を瞬かせていた。
今年の採用は、いろいろな思いから取りやめも考えたのだけれども、一旦出来てしまった会社である北京ヒューマンソフトをシュリンクさせるまでの覚悟が私にはつかなかった。ダイバーシティ・・・多様化する社会に対応できることも、我々にとってはとても重要な問題だと思っているから。しかし、中国のヒューマンソフト、いや外部リソースの有効な活用を考えたときに、われわれのような若い会社は本当に背負いきれないような沢山の課題に直面する。若い、北京の取締役は最前線でこの問題に直面することも多いに違いない。
土曜日の面接の予定者は、新しく移転した会社が中閑村の精華大学や北京大学の近くにあるということからか、賢そうな若者が多かった。大学院卒の学生や工学修士とMBAを持っている学生なども何人かいた。孟母三遷の教えは正しかったのか・・・。ようやく、北京ヒューマンシステムの引越しの大騒動もなんとか落ち着いてここから飛躍的な何かが起こるような気がしている。
プロジェクトは、今までの定常活動から付加価値をあげて次の定常活動に繋ぐ為に、期間とコストと目的を定めた活動と定義されている。だから、目的を満たす最短の道を考える仕事をしている我々は、アートと呼ばれる種類の「技術」とお客様の満足を満たす最短の道を選ぶという「賢さ」が必要なのだと思う。そして、その2つを見出す為に我々には、最低2つの条件が揃わなければならない。ひとつは、お客様の目的が定まっていること。もうひとつは、その目的に到達する戦略が明確なこと。
経営戦略の部分を扱うのが一般的には戦略コンサルタントと呼ばれる人達。日本以外の国では、通常この仕事はSierには求められない。MBAコースでは、これらの戦略を立案する為のいろいろなことを学ぶ。しかし、ITシステムはトップダウンだけでは旨くまとめられない。我々のコンセプトである「システムづくりにおもいやり」という言葉は実はこのあたりの領域も我々がサービスすることを表している。
ヒューマンシステムは、その目的さえ定まればお客様をリードして目的にたどり付けるプロフェッショナルな技術者集団なのだ。そして、その責任を全うする為に緻密な計画を立て、その内容をお客様とレビューして可能な限りお客様のお使いになるイメージに近づける。あるいは範囲を定め、運用や他のシステムと調整することも、期間を調整することもあるかもしれない。いずれにしても、我々の考えうる最善をつくすことには変わりはない。それはベストではないかもしれない選択だとしても、限られた条件下でお客様の立場にたって思いやりを持ってシステムをつくること。最善の選択をお客様と一緒にしていくことを心がけている。この「おもいやり」には、優しさ同時にプロとしての我々のいろいろな創意工夫が込められている。ご存知のように、お客様の望むものは時として変化するものであり、我々のプロジェクトには限られた時間とコストしか与えられてはいないから。
いつも思う。そのお客様と定めた目的の為に、我々は技術を提供する。その為に考えることを辞めてはいけないのだと。最初の一歩から、最後まで。ひとつひとつの失敗も次につなげれば有効な学習となるだろう。次に繋げることも、はじめることも主体性のある「考えること」がベースにあってこそのことではないか。そこに真剣な工夫があってこそ、前に進む一歩になり得るのだと思う。
今の仕事で、前のプロジェクトよりなにか工夫しています? 計画は立てています?
ひとつひとつの任された仕事に創意工夫とプロフェッショナリズムを持って取り組みたい。形は、大切だけど果たすべき目的はもっともっと大切。それを見失わないようにする為にも、綿密な計画が必要だと。それは、プロジェクトの問題点を明らかにする。いろいろな協力を得る為にも必要最低限のツールだと心得てほしい。そして、計画があるからこそ、問題が共有でき、正しく納得できる成果がわかり評価が可能なのではないかと。
お客様の満足と社員の幸せを両立する為にひとりひとりが心がけなければならないことは、そんなことではないかと思った。ブルーのイルミネーションに輝く中閑村の片隅で、そんなことを考えていた。中国は、日本以上にアメリカ的で、賢いひとが多い国。我々は、彼らから学ぶことも多いはずなのだと。
一歩一歩最善を尽くすこと・・・年の瀬ですが、今週もよろしくお願いします。